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祈り子のブログ

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祈りは力。祈りは救い。祈りは愛・・・。わたくし祈り子が、命を賭けて祈らせていただきます。

隅田川花火と一夜の恋

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こんばんは。祈り子です。

七月末日は隅田川花火大会でございました。普段は祈るためだけに天を見上げるわたくしも、

その日は夜空に咲く大輪の花々を見上げるために天を仰ぎました。といいますのも、わたくしは

江東区に住む友人の高層マンション宅にて、空一面に咲き誇る華麗なる花火を見ていたのです。


涼やかなる室内で、ブルゴーニュワインとチーズを片手に見る花火には、あまり風情というものが

感じられません。やはり花火というものは、野外で愛する人とふたり手を繋ぎながら、浴衣姿で

見物するのが正しいありかたなのかもしれませんね。


実はわたくしにとって隅田川花火大会は、とっても思い出深いものなのです。

まだわたくしが学生時代のこと。わたくしは当時の友人と、気合を入れた浴衣姿で花火を見に参りました。

しかし会場は大変な混雑ぶりで、わたくしはいつしか友人たちとはぐれてしまい、不貞腐れておりました。


「あームカツク」。そんなことをつぶやきながらしつこいナンパ野郎を軽くあしらう。
「カノジョー、ちょっと話聞いてくれない?」どいつもこいつも同じようなセリフしか言わない。
ナンパ野郎はカッコイイけどなんか薄っぺらくてキライだ。もっと等身大のアタシを見て欲しい。
「すいません・・。」・・・またか、とセレブなアタシは思った。シカトするつもりだったけど、チラっと
ナンパ野郎の顔を見た。
「・・!!」・・・チガウ・・・今までの男とはなにかが決定的に違う。スピリチュアルな感覚がアタシ
のカラダを駆け巡った・・。「・・(カッコイイ・・!!・・これって運命・・?)」


途方にくれていた自分に声をかけてきたその男を、あたしはジッと見据える。

「迷子?実は俺もカノジョと、はぐれちゃって・・・・」彼が苦笑いする。その笑顔を、なぜか素敵だと感じた。

いつしかあたしと彼は、肩を並べて歩いていた。初体面なのに、不思議と会話が弾む。

内容は、他愛のない愚痴や冗談。それでも、あたし達はバカみたいに笑い転げた。さりげない一言一言

が、孤独な心に染みていく。気がつくと、あたし達は手を繋いでいた。夜空で爆発を繰り返す花火の音は、

もう聞こえなかった。耳の奥に響くのは、張り裂けそうなほどドクドクと高鳴る心臓の音だけ。

彼が立ち止まる。あたしも足を止めて、彼の正面に立った。

キラキラと輝く彼の瞳の中に、無数の花火の光が反射している。彼の顔が、ゆっくりと近づいてきた。

あたしが静かに目を閉じた、そのときだった。

「タダシー!」

少女の明るい声が、彼の動きを止めた。「あっ、カオリ!どこにいたんだよ。捜したんだぜ。紹介するよ。

この人、オレの高校の同級生でさ、久しぶりに会っちゃって」

あたしはとっさに、彼の高校の同級生のフリをして、彼女に笑いかける。興味なさそうにあたしを見た

彼女は、彼の腕をとって歩きだした。遠くなっていく、彼の背中を、あたしは立ち尽くしたまま見つめていた。

しばらく歩いた彼は、突然あたしのところに駆け戻ってくると、耳元に囁いた。

「来年の今日・・・・、この場所で君のこと待ってるから」

その言葉だけを残して、彼は人ごみの中に消えていった・・・・・。あたしは何度も何度も、彼の言葉を

口に中に繰り返していた。



そして1年後の隅田川花火大会の日。

わたくしは彼との約束などすっかり忘れて、近所のパンチンコ台の前にいた。



今日、花火大会見物の後に友人たちと花火をしながら、ふとそんな過去を思い出した。

「祈り子、どうしたの?ボーっとしちゃって。なんか男に飢えたメス犬みたいな顔してるよ」

そんな友人に向けて、わたくしは満面の笑みを浮かべながらロケット花火を発射したのであった。




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★東京・隅田川花火、2万発の大輪 スカイツリー背景に
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by naotan5 | 2010-08-01 00:36 | わたくしの個人的な祈り